「記事内容」 
ポーセレンレースドールは、磁器の人形。元々ヨーロッパで職人工芸だった技術をアメリカのエレン・グロム女史が一般向
きのホビーとして楽しめるように考えた方法で、20数年前に日本に紹介されたもの。陶土をレース生地に染みこませて、
ボディに着せるドレスや小物を形作る。陶土には予め色が付けてあり、1200度で本焼き、透明の釉薬を付けて再度焼くと
艶やかな表面になる。最後に絵の具で細部の色つけをしてもう一度焼く。
 20年余り前に紙粘土の人形から始めて、プロアム陶芸(違うタイプの磁器人形)も経験し、今はポーセレンレースドール
に打ち込む。「うちは夫婦と男の子2人なので男ばっかり。少しでも家の中を華やかにしたかったのが人形作りを始めたきっ
かけです。レースドールは粘土人形と違って火を通すので、なかなか思い通りにはいかないのが長続きした理由でしょうか」。
 自宅の離れにあるアトリエは、藤原さんが主婦業を忘れて制作に没頭する空間だ。「主人がいなみ野学園の陶芸科に通う週二
日は、朝のうちに家事を済ませて自分の昼食も用意しておき、夢中で作っているんです。時には主人からのアドバイスなども
あり、理解があるので助かっています」。自宅に電気の専用釜を持っていて、月4回ペースで教室も間いている。「須磨のア
ート・ユニでに初めての個展を開き、その後も元町でも開催しました。少しでも多くの人にレースドールを知ってもらい、作
る喜びを知ってもらえたら」と語る。
 ボディのパーツは予め型に陶土を流して乾かしておくので、初心者でもやり易い。レースの繊細な華やかさ、透明感のある
肌を感じさせる質感で中世のヨーロッパの貴婦人を表現するのが基本だが、その動きや表情衣装や小物のデザインは藤原さ
ん独白のもの。「不思議なもので、同じように作ろうと思っても作者によって人形の個性が出てしまう。私の作品はどちらか
と言うとシンプル。パッと目を引く華やかさには欠けるのですが、落ち着いた雰囲気が好き」。
少し寂しげな表情の人形に、逆に心が慰められる部分があるのかもしれない。